イケメン女子の学園生活2
「…そうですか。大体の事は把握しました」
大阪であった経緯を伝え終えた。
なんとも落ち着かないが、先ずは事を知ることの方が先なそうで。
~朔月side~
「…でも、まだ何で黒崎さんが必要なのか分かりませんね…」
「…そこんところ、お前はどう思う?」
『どうってな…。全く検討もつかない』
何でオレなのか。
コイツらは誰なのか。
…そもそも、オレは掃除屋とやらを知らない。
そーいった部分は前にも少し触れたが組の者にやらしているから。
光輝の親父さんとこはかなり有能だからオレ達がその辺を把握しなくても大丈夫なのだ。
だけど。
オレが詳しくないだけで…父さん、あるいは執事か兄さんは知っているのかもしれない。
「チッ…役にたたねぇーなぁ」
『あ?…まあ、聞く宛はあるから聞いてみる』
「誰だよ」
『それは関係ないだろ。ちょっと家に帰る』
オレがくるりと向きをかえると、ちょっと待ったとばかりに前代総長が立ち上がる。
「今一人で行動させられるかよ」
『…大丈夫だ。なんなら迎えに来させる』
「駄目だ。その油断が命取りだ。…そうだな、こいつら誰かと行け。多いに越したことはない」
コイツはオレの強さも執事の存在も知らないからだろうが…余計なお世話だ。
だけど、断るとよけいに話をややこしくするので仕方なく承諾した。
「まあ光輝と慎二はダメだからな。…あ、あと泪も」
「えっ?!何で僕もぉ!?」
『じゃあ、翔、来てくれ』
「やだぁ!僕が行きたいー!」
「えっ!さっくん、俺は!?」
翔を選べば途端に騒ぎだす彼等。
何でって、翔が一番静かだからに決まってんだろうが。
「うるせぇ、テメェら。よし、いけ翔」
「…あぁ」
そうして、オレは翔と二人で屋上を後にした。