イケメン女子の学園生活2
そんなこんなでやって来た月牙倉庫
やけに賑わっている様子
『光輝は部外者も入って良いって言ってたけど、一応断りいれてくんな』
そう言って車から降りた朔月を見送ってから、そこらのバイクの隣に停める
ここ、月牙倉庫は実は初めてではない
俺が若かりし時…いや、今だって若いけどな?
10代ん時に、一度来ている
モチロン、族なんてもには入ってない
寧ろ敵対していたからな
まぁ理由は置いておいて、その時来た倉庫とは見た目は変わらずとも雰囲気が大分変わっていた
現総長、寒川光輝の雰囲気なのだろう
落ち着いた、それでいて力強いそんな感じがする
『おい、入って良いってよ』
「ん?お、おう」
そんな風に眺めていれば戻ってきた朔月が窓をノックした
…朔月が月牙と仲間になった理由が今少し分かった気がする
『…悪いな』
車から降りれば唐突にかけられた声
振り向けば苦虫を噛み潰したような顔
「ぷ。なに変な顔してんだよ」
『…お前なぁ』
謝罪を無視して笑えば朔月にも少し笑顔が戻る
倉庫ん中でまた罪悪感が出たのか…あるいは、俺が大好き故に迷惑かけた謝罪か
…うん、後者だろうけどさ
そんなもの欲しがって朔月に手をかす奴なんかじゃないからな
「朔月、せめて俺には気を遣わなくて良い」
ポン、と頭に手をおき、先に倉庫へと足をすすめる
少し後においかけてくる朔月の足音を聞きながら、俺は倉庫の扉を開けたのだった