あなたと恋した私

【るな side】



私にはちゃんとお父さんもいたし、お兄ちゃんだっていた。
他の家族と変わらない普通の家族だった


でも、そんな生活はある日の出来事で一変した。


中学校三年の冬の事だった
もうすぐで受験を控えていた私は、塾に通っていた

その日は夜、10時ぐらいまで塾だった
夜遅かったからお父さんとお兄ちゃんが迎えにきてくれた


「なんで、2人なの?
 お父さんだけで良かったのに…。」


「俺はただ、コンビニ行くついでだ。
 そしたら、ちょうどるなを父さんが、迎えに行こうとしてたんだよ……」


お兄ちゃんはそう言ってたけど、本当は心配だったんだ

私は嬉しくて、ついにやけてしまった




三人で仲良く歩いて帰ってるときだった

ーキキーッ!ドンッ!

一瞬だった…。



私たちが歩いている歩道に一台のトラックが突っ込んできた

私が目を開けたら、そこは血の海だった

お父さんとお兄ちゃんの血だ……

何が起こったのか分からなかった

ただ、周りに人だかりができて
救急車がきて…そこから私は意識を失った。












あれ?ここはどこだろう…
鼻にツンとする匂いがした。


視界に入るのは薄ピンク色のカーテンが見える
あ、病院かあ……


ハッ!
お父さんとお兄ちゃんは?


私は廊下を走って、ナースステーションをめざして走った


途中で病院の先生に会った

「ちょっと!笹川さん!待ちなさい」


「あの!お父さんとお兄ちゃんはどこですか?」


私は少し取り乱した感じで言った


そこにお母さんが走ってきた


「るな!あなた、いつ起きたの?
 ちょっと、部屋から出て、帰ったらるながいなくてびっくりするじゃない!」


お母さんは本当に心配してくれてたようだ


「ごめんなさい……。それよりお父さんとお兄ちゃんはどこ?」


お母さんはすぐに表情が暗くなった
嫌な予感がした。




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