【完】放課後ビタースイート
それからもいろんなことを考えているといつの間にか陽はぐっと落ちて、部活生がどんどん帰り始めた。
片倉くんの所属するサッカー部は解散が一番遅く、聞いたところ今週は彼が部室の鍵当番なので2人きりになれる絶好のチャンスなのだ。
……どうしよう。緊張してきた。
脈打つ音が全身に響き渡り、お腹が痛いような気がする。
大抜擢された劇の主役やリレーのアンカーなんかとは全く比べものにならない。
丁度外ではサッカー部のミーティングが終わった所で。
…あーもう、腹くくれ自分!!
頬っぺたを両手でパチンと叩き、気合いを注入した。
告白はもちろん口で言うつもりだが、万が一何も喋れなかったときのために一応手紙を用意している。
封筒には『片倉くんへ』と書いており中身もごくごく普通の内容だ。
気持ちを落ち着かせるために1つ深呼吸をし、手紙を持って教室を後にした。