【完】放課後ビタースイート



「よし。

じゃあ俺、そろそろ行かないと」


「あ、うん。

本当いろいろとありがとね!今度何かお礼する!」


バイバイ、歩いて行く彼に手を振ってふと思った。




「…ねぇ!

名前まだ聞いてなかった!!」


「えっ!?今更!!


…片倉颯太!そうたのそうは立つ風ね!」


聞いてない漢字のことまで教えてくれる親切っぷりにクスクス笑う。



かたくらそうた…うん、覚えた!


「片倉くん、またね!」



今度こそ立ち去る片倉くんを見て、あることに気づく。


右腕の肘下辺りに血が少し滲んだ擦り傷。







『ケガももう治ったからね!』


さっき片倉くんこう言ってたよね?



……あたしのため?


勝手な憶測なので断定はできない。




でもその可能性を考えると…なぜか、あたしの胸はキュッと締めつけられた。



< 5 / 17 >

この作品をシェア

pagetop