【完】放課後ビタースイート
今思うと多分これが恋の始まりで、今まで恋愛経験なしだったあたしのいわゆる初恋となる。
隣のクラスということもあり見かけることも多く、会えば世間話をする程度の仲になるのに時間はかからなかった。
片倉くんと話していると緊張して上手く喋れない。
隣のクラスを通る時は必ず片倉くんを探してしまう。
目が、耳が、片倉くんを常に追っていて。
そして片倉くんを思うとたまに、何だか泣きそうになる。
他の男友達とは明らかに違う存在で、初めての感情に戸惑い、恐れた。
でもそれが恋だということを知り、日に日に募るこの気持ちを彼に伝えようと決心したのだ。