【完】放課後ビタースイート




「あーそうかよ。
お前のことなんか俺だって大嫌いだ。

もう知らね」



今まで聞いたことのない低い声でそう吐き捨てて高橋はそのまま教室から出て行ってしまった。


心なしか傷ついたような顔をしていたのは気のせいだと思いたい。





…だってしょうがないじゃん。恥ずかしいんだもん。


片倉くんのことを異性として、1人の男として見てるなんて。


別にその気持ちを否定したい訳じゃない。

なんせ今日告白しようとしているのだからむしろその逆だ。



それでもやっぱり公にすることが出来なくて今日まで心の内に秘めてきた。


その反動でか告白を決心したあたしは、勇気があるのかそれとも臆病者なのか。




…もういいや、高橋のことなんて。


どうせ明日にはみんなの前でこのことをからかってくるに違いない。



明日のことを思うと胃が痛むが、それよりも今日の告白だ。


その結果に応じて後で考えればいい。



< 9 / 17 >

この作品をシェア

pagetop