I love you~最初で最後の恋~
「せん、ぱい・・・・・・・」
卒業式の日、先輩が体育館を退場する時外に居た私達は一度顔を合わせた。
だが、笑い合うだけで会話は一言も交わさなかった。
「元気だったか?」
「まあね。颯太と同じ大学だったんだね」
「あぁ。学部も同じ」
「真面目に行ってるの?」
「当たり前」
あんなに自由気ままだった先輩が真面目に行ってるなんて意外。
落ち着いた茶髪が派手な金髪に変っている。
「あぁ、髪?似合ってる?」
視線の先に気付いた先輩がそんなに長くない前髪をクルクルと指で絡めた。
「似合ってる」
黙ってれば文句ない。
「何?ここでバイトしてんの?」
「まあね。颯太の彼女も一緒だよ」
クイクイと後ろを親指で指した。
「ごめん・・・・・・。私、バイトやめる」
「俺こそごめん。ちゃんと時間作るから」
感動のハグをしている最中だった。
どうやら丸く収まったらしい。