I love you~最初で最後の恋~
「その敬語なに?」
「気にしないで下さい」
説明をせず、流したせいなのか、先輩がムッとしてしまった。
「気遣ってんの?」
「そんなことないですよ」
なんて真っ赤なウソ。
私を庇って怪我した人に偉そうな態度なんて取れない。
「キモイ」
「そうですか?」
「ヤメテ」
「無理です」
「葵」
「はい?」
「キスして」
「いいですよ」
作業を止め、先輩のベッドに座った。
「先輩、目閉じて下さいね」
そっと目を閉じた先輩に自分の顔を近づけた。
そういえば、結局先生にキスしてもらえなかったな。
「やっぱり可笑しい」
先輩の台詞で動きを止めた。