●4つの運命はこの学園から●





*****-序章- 辞令は突然に -*****



いよいよ待ちに待った、入学式当日。
私は、緊張とわくわくした気持ちを抑えることが出来なくて
予定よりも1時間も早く自宅を出て学校へと向かっていた。

学校まで続く長い桜並木を眺めながら、ゆったりと坂を登っていると・・・

「みーくーらーーぁーーー!!」

物凄い勢いで自分の後ろを走ってくる足音と名前を呼ぶ声にギョッとなりながらも
聞き覚えのある声に喜びを覚えながら、美鞍(みくら)はその人物を振り返った。

「おーはよっ!苓那!」

振り返りながら左手を上げると苓那は勢い良くハイタッチした。

「おはよ!美鞍。・・・そしてぇー入学おっめでとぉー」

「ふふっ!苓那ったら~自分もやろ~入学おめでとう。これからもずっと一緒やで♪」

「ほんまそれ!これからも私らは一緒!今日から改めて3年間よろしくなっ」

そう言って二人は近いの抱擁をかわした。

ギューっと抱き合っていると後ろからドスドスと走ってくる人物が一人。
鞄を二つ持っている。しかもやたらとデカイ巨人。
2人に気が付くと鞄を持ったままの手を軽く振りながら近づいてきた。

「おーーーい!苓那っ!自分の鞄くらい自分で持ったらどうやーー」

息を切らせながら走ってくる巨人、いや大男は苓那の近くまで来て鞄を手渡した。

「えぇやん。悠はおっきいねんから、鞄1個くらいおもないやろ~~。」

苓那は、ふーんと言いながら、ダルそうに鞄を受け取った。
やたらとデカイ大男・・・いや悠は

「はぁ・・・」

とため息をつきながらも鞄を受け取った苓菜を優しいまなざしで見つめていた。


いやホンマに。なんでこの2人は付き合ってないんやろ。
朝っぱらからいい雰囲気ムンムンやしぃ!!!
ってか絶対好きやろ!2人とも好きやろぅ!!

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