●4つの運命はこの学園から●
美鞍は中学生のころ同じ部活で出会った苓那とたまたま仲良くなり今では親友となっている。
ちなみに、苓那と悠は小学生からの幼馴染。苓那は普通のごく一般人の娘。悠はこの町のお寺の息子。
小さい頃からずっと一緒の二人は、今ではお互いが隣にいるのが当たり前。
だから、お互いが恋愛感情持ってるとか、そんなことは全く気にしていないのだろう。
しかし、周りから見てる限りでは絶対お互いが好きに決まってる。そんな感じ。
ほんま。いつ引っ付くねんな。こーゆーとこ見てたら、はよ引っ付けや!!って叫び多なるわ・・・
「・・・はぁ・・・。」
思わずこらえきれなかったため息をつくと、気づいた悠が振り返る。
美鞍に気づいた悠は、にっこり笑って
「浅白はん。おはよう!」
今さらなご挨拶をしてくれた。
「ん。おはよー小岩くん!今日もラブラブね~」
ふふふと笑いながら言うと、悠の隣にいた苓菜の顔は真っ赤になって
うるさーい!!って怒った。
そして、怒りながらも嬉しそうな顔で美鞍の隣に立ち、再び桜並木を歩き出す。
悠は一歩下がって二人の後ろを付いていく。
「桜、綺麗やね・・・・」
「・・・そやね~・・・」
「・・・」
美しい桜を眺めながら坂道を登ると、今日から私達の母校となる高校の校門が見えてきた。
喜びのあまり、3人はあと少しの坂道を駆け上りまだ開いていない校門の前まで走った。
息を整えながら、美鞍は制服のポケットから携帯を取り出しカメラを起動させる。
それを合図に苓那、悠が顔を寄せ合い・・・
「はいっチーズ☆」
チロチロリンッ
携帯特有の可愛らしいシャッター音が鳴り響く。
「高校生活思い出1枚いただきましたーぁー」
撮った写真を保存しながら美鞍は二人に笑いかける。
・・・するとその瞬間。背後の重そうな校門が開く音がした。
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