●4つの運命はこの学園から●


「おぉー開いたやん!ナイスタイミングー♪いくで!1番乗りや美鞍っ」

「ちょっ!!」

そう言って苓那は勢い良く美鞍の腕を引っ張りながら校内へと入っていった。
その後を追うように、悠も一緒について行く。

校門を抜けてすぐ、大きな噴水がお出迎え。
周りに咲き誇る花や緑が美しく更に噴水を輝かせていた。

校舎全体は、普通の学校なのに何故かこの噴水だけは芸術的に美しい。
噴水の真ん中に「入学おめでとう!」と書かれた垂れ幕が確認できることから
これは、入学式の式典のために用意されたオブジェか何かなのだろう。

そんな芸術作品に見惚れていると、影から人が飛び出し・・・・
真ん中に立っている美鞍目掛けて急突進してきた。
避ける間もなく、誰かが助ける間も無く、美鞍は一瞬で姫抱きにされた。

「うわっっっ!!!!」

と叫んだ瞬間、美鞍を抱き上げた全身ピンクのスーツを纏った男は校舎を目掛けて走り出す!!
5メートルくらい走ったところで、一瞬唖然としていた苓那が正気に戻り、持っていた鞄を悠目掛けて投げつける。

「悠!鞄頼んだ!美鞍追う!!」

そう叫びながら、ピンクの背中を全力で追いかけ始めた。


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