●4つの運命はこの学園から●
みるみるうちにピンクの男は校舎の奥の方へと走っていく、苓那は中学時代に身につけた陸上での脚を活かしながら全力で追いかける。徐々に差は詰まっている。
いくつもの角を曲がり、校舎の突き当たりに位置する1室へピンクの男は滑り込んだ。勢いで扉を閉めようとしているピンクの男。
しかし、苓那はその一瞬の間に室内へとスライディングした。
男は美鞍を抱きかかえたまま窓際に立つ。腕の中の美鞍はあまりの出来事に未だ放心状態。
意識があることにほっとしながら、苓那は冷静に言い放つ。
「おい!そこのピンク!美鞍を離せ!!」
低く唸るような声にピンクの男はビクッとしながら顔を少し苓那の方へと向ける。
おびえた顔でもしているのだろうと、顔をみてみると、ピンクの男の口元は笑みを浮かべていた。
その表情が何を意味とするのかはわからないが、男は微笑んだまま、美鞍を近くのソファーへと座らせ離れた。
その一瞬をつき、苓那は美鞍のそばへ駆け寄り肩を抱く。その瞬間安堵の表情を浮かべた美鞍をみて心から安心をした。
しかし、男はまだ1メートルも離れていない近距離にいる・・・のだが。
なぜか目の前の段ボール箱の中をガザゴゾと漁っている。
苓那が呆然と立ち尽くしていると、男は目当てのものを見つけたのか漁るのをやめモノを取り出し振り返る。
その足で2人へと近づき、座ったままの美鞍の腕を掴み強引に立ち上がらせ抱きついた・・・・。
「「いやぁぁぁーーーーーーーーーー」」
急な展開に思わず悲鳴を上げる美鞍と苓那。
その叫び声にも耳を傾けず、男は美鞍のスカートへと手を伸ばし・・・・
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