●4つの運命はこの学園から●
扉が閉まった後も、補佐の二人も着替えたら理事長室に来なさいよ~。5分以内ね!といいながら立ち去っていた。
一方、残された3人はというと・・・。
「・・・え?なん?」
藍色のスカートを握り一点を見つめながら苓那はつぶやく。
その表情は誰が見ても驚いて放心状態。というのが正しい。
「・・・なんやろな・・・生徒会?とか聞こえたけど・・・」
同じく一点を見つめたまま悠が口を開く。苓那よりは落ち着いているのか、はっと気持ちを取り戻し傍にあった椅子に腰掛けた。
「とりま。私ら生徒会に選ばれたって思ったらいいてことやんな・・・?経緯わからんけど・・・・」
ピンクのスカートを履いた美鞍はそれを見つめながらつぶやいた。
「そうやなぁ~。意味分からんけど・・・まぁ着替えるか。理事長とか言う人に逆らうんマズイやろし。」
苓那は、よいしょっと立ち上がり着替え始める。
と、スカートに手をかけた瞬間、真横が慌しい音を立てた。大きな物音のした先を2人が見ると、悠が大急ぎで部屋の中で一番死角になるソファーの後ろに逃げていた。
「何してるん?悠。」
「・・・・おっ・・・おまっえ・・・いきなり・・・脱ぐなやっ!!」
苓那がといかけると、ワタワタ焦った声で悠が答える。きっと本人の顔は真っ赤であろうか。
そんな様子の悠に驚くこともなく苓那は着替えを終わらせる。
「あ~~はいはい。もう着替えたよ。はよ出てきぃ~ってか早く悠も着替え!5分経つ。」
そう言いながら自分と美鞍の鞄をもって苓那は美鞍と部屋を出て扉を閉めた。
早く着替えて出て来い~という合図である。2人を見送って悠は大急ぎで着替えを済ませた。
3人揃って一般生徒とは違う制服になり(ブレザーは一緒だが)廊下を歩く。
「そーいや理事長室ってどこや?」
悠が口を開いた時、目の前の過度から教員らしき人が現れる。
3人の姿を見ると、3人が身につけている制服を見ても事情を分かっているような素振りで
理事長室はあっちだ。と言うように指をさしていくべき場所を示してくれた。
その後2人教員に出会ったが、同じ反応で意外とスムーズに理事長室に到着した。
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