珈琲に角砂糖


「なんで?仲良くしようよ!ね?凛都ちゃん」


仔犬のような瞳で見つめてくる先輩。


何故だ。

何故この先輩は私の言葉に怯まないのだ。


「嫌だ。わっ私は一人でいいと言っている!」


焦って出た言葉は全く敬語を使えていなかった。


「ねえ凛都ちゃん。なんで一人でいようとするの?」


「.....え?」



可愛い瞳ではなく、今度は真剣な瞳に見つめられた。


「なっ何を言っているのだ!」


「だって凛都ちゃん、本当は一人でいたい訳じゃないんでしょう?」



この人を苦手だと思った意味がわかった。


彼といると何故だか自分のペースが乱されるからだ。


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