珈琲に角砂糖
第1章
ランチタイム
今日も一人、私は教室で本を読んでいる。
高校に入学してもうすぐ二ヶ月。
私には友達というものは皆無だ。
「ねー聞いてよー。また彼氏がさー」
恋バナに勤しむ派手な女子グループ。
「昨日のお笑い番組面白くなかったー?」
昨日のテレビ番組について話している男子グループ。
「見て見て我が家のワンコー!」
グループ内で愛犬を自慢する女子。
教室のあちらこちらから
複数のグループの会話が聞こえてくる。
この空間で自分だけが取り残されたような感覚。
だけど私はこれでいい。
私は人と関わるのが苦手だ。