珈琲に角砂糖
人気がなくなるまで彼は私を引っ張ってひたすら廊下を歩いた。
人気がなくなった階段下で彼はようやく立ち止まった。
「あっ!ごめんね!お弁当も途中だったのに...」
彼は私の腕を掴んだまま言う。
「..そんな事はどうでもいいです。それより手....離して下さい」
「あっ!ごめん!」
真っ赤になった彼は照れくさそうに手を離した。
「...大丈夫です。それより急にどうしたんですか」
「あっえっと。凛都ちゃんが泣きそうに見えたから」
私が泣きそうだった事に彼は気付いていた。
「そんな事ないです。私は大丈夫ですから戻りましょう。龍にー達が心配します」
「あっうん。そうだね!」
困ったように笑う彼と、私は龍にー達のいる教室に戻った。