珈琲に角砂糖
「おい凛都!羽鶴!お前ら急にどうしたんだよ?もう昼休み終わるぞ!」
私達が戻ると、心配そうな顔をした龍にーが
教室の前で待っていてくれた。
「ごめんね龍ちゃーん」
「私がトイレに行きたかったの。三年の校舎って初めて来たからわからなくて、千羽鶴先輩が案内してくれただけ」
私は咄嗟に嘘をついた。
だって泣きそうだった事、
千羽鶴先輩は皆に知られないように
私を連れ出してくれた。
今龍にーにバレたらその気遣いが無駄になってしまう。
「そうだったのかー!でも一言言えよなー?心配しただろーが!」
龍にーがグリグリと少し強めに頭を撫でてくれた。
「ごめんなさい龍にー」
「わかればよろしい!じゃあ教室まで送ってくから」
「うん。ありがとう龍にー」
3馬鹿の先輩方と
少し気まずい千羽鶴先輩に挨拶をして
龍にーに連れられた私と笹原さんは
何事もなかったかのように一年の教室に戻った。