珈琲に角砂糖



だから私はむやみやたらに人を信じない。

結局人間は、自分が邪魔だと思った途端に簡単に人を捨てる生き物なのだ。


そんな私も祖母の事は好きだった。


祖母は私達兄弟に、たくさんの愛情を注いでくれた。



母親なんていなくても祖母と龍にーがいれば幸せだった。



祖母は人に優しくしなさいと言った。

もう一度人を信じなさいと言った。

私の笑顔が好きだと言った。



それでも私は祖母の言葉に背く事ばかりをしている。


人に優しくなんて出来ない。

人はどうせ捨てる。
例え捨てなくても死んでしまう。
それなら最初から信じたくなんてない。

いつから私は笑っていないだろう。



人に冷たい態度ばかりとっている私は
ひどく臆病な人間なのだ。






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