珈琲に角砂糖


私はずっとトラウマに囚われて生きている。


幼い頃に捨てられた記憶。

自ら信じ、愛してくれた人との死別。




『本当は一人でいたい訳じゃないんでしょう?』



千羽鶴先輩に言われた言葉を思い出した。


自分で自分がわからない。


人と接するのが怖い。

捨てられるのが怖い。

人は死んでしまう。


だから私は一人でいい。



もしかしたら千羽鶴先輩の言う通り、
私は一人でいたい訳ではないのかもしれない。


それでも、トラウマが邪魔をするんだ。


人と関わっても傷つくだけだと。



いつからか、そんな自分になってしまった。


そして、人を傷つける言葉しか言えない自分になってしまった。




人は嫌いだ。



だけど本当はこんなに臆病な自分が一番大嫌いだ。







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