珈琲に角砂糖


幸いにも、カレーライスの材料は家にあったので買い物に行く手間も省け、私はしぶしぶ夕飯の支度を始めた。




..........だが何故だろうか。


材料を切っている私に突き刺さる視線が痛い。



「.....おい。千羽鶴先輩。そこで何をしている。早く龍にーの部屋に行ったらどうだ。」



千羽鶴先輩が、龍にーの部屋にも行かず
調理をしている私をずっと見つめているのだ。



「あ、バレてたー?だって俺の好物を作ってくれてる凛都ちゃん眺めていたいじゃんか!」



こんなにふんわりした笑顔、どうやったら出来るのだろうか。



「凛都ちゃんー?えっ!俺の顔もしかして何かついてる!?この家に来る前に龍ちゃんとシュークリーム食べたからもしかしてそのクリームが!?」!



千羽鶴先輩の笑顔を眺めていると、それに気づいた千羽鶴先輩が突拍子もない事を言い出した。



「......ふっ。あははははは!」



「え!?え!?凛都ちゃん!!?」




「.....え?何ですか千羽鶴先輩」


「え!?え!?笑ったよね!凛都ちゃん!」





あれ....?



私、笑った...?



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