珈琲に角砂糖


「ねえ、今の見た?」

「見た見た」

「笹原さん可哀想ー」

「やっぱり天宮さんって冷たい人なんだねー」



私を横目で見ながら勝手に開かれる同情ごっこ。


(こそこそ言うぐらいなら私に直接言えばいいのに。)


まあ、そんな事言っても面倒くさいだけだから言わないけどね。



「でもやっぱり笹原さんも変わってるよねー」


「わかるー。ウチだったら絶対天宮さんに話かけなーい。だって心折れそうだもーん」


「本当それー。笹原さんチャレンジャー」


「あははっ。でも笹原さんも実際ちょっと浮いてるし丁度いいんじゃなーい?」


「ああ、仲間意識みたいなあー?」




同情ごっこをしていたかと思えばすぐに笑いのネタにする。


これだから人と関わるのが嫌になるんだ。



貴女達がさっきまで同情していた彼女、
貴女達の会話を聞いて俯いてしまったけど?



私には関係ないけどね。


何故だか凄くむしゃくしゃした。





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