珈琲に角砂糖


「....あの。もう授業始まるので静かにしてもらえませんか」





気付いたら彼女達にそう言葉を投げていた。


自分で自分に驚いた。


私も笹原さんという少女に同情したのだろうか。



「え?あ、すいません」

「席戻ろ」



彼女達は不満気な顔をして席に戻っていった。





突然声を発した私にクラスメイト達の視線が集中している。


自分でも本当によくわからない。


何故だか凄くイラついたのだ。

悪気もなく、茶化しながら笹原さんを傷つける彼女達に。



自分だって彼女を傷つけたくせにね。



私はいくら考えても答えのでない疑問を捨てて、始まったばかりの授業に集中する事にした。
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