レインリリー

あまりのイメージとのギャップに
現実逃避してしまっている私に構わず


「香奈ちゃんの事が嫌いとか、
気に入らないとかでは無いんです。
ただ、まだ19歳で就職したばかりなのに結婚とか子供が出来た
その事実が気に入らないだけです」


場の空気も気にせず言いたいことをハッキリ言う崇人母。

唖然として言葉も出ない様子の両親に代わり


「あの…
そう思われて当然だと思います。
お母さんが納得されるまで籍も入れないし、
認めてもらえるように2人で頑張らなきゃと思っています。
だから、暖かく見守っていただけませんか？」


本音で話してくれているのだからと
本音をぶつけてみた。


「おふくろ、いい加減にしてくれよ！！」


苛つきだした崇人に大丈夫だからと
目で合図を送る。


「へ～きちんと育てられた良いお嬢さんのようですね・・・」


引きつる崇人母の笑顔だけど
意外にも、その目は
さっきまでとは違い柔らいでいるように見えた。