レインリリー
「申し訳ありません。
このように物事をハッキリ言う家内でして・・・悪気は無いサバサバした人間なんですが」


重ね重ね申し訳ないと深々と頭を下げる崇人父に
私の両親も、ようやく我に返り話し合いが始まり

籍を入れるのは、高校を卒業してから。

一緒に暮らすのは
子供が産まれ育児に慣れてからと決まった。


まだ納得は出来かねる様子の崇人母は
終始、すねた子供のようにムクれていたが

帰り際、見送りに出た私に


「お腹の子、大事にしなきゃダメよ」


ムスッとして不機嫌そうなままだったけど、そう声をかけてくれた。

なんか憎めないキャラ?
悪い人では無さそうだよね。

何より、お腹の子を気遣ってくれたのが嬉しくて
小さな気にかかることは忘れてしまう私。

同居は無理だけど
上手くやっていけそうな気がする
そんな手応えを感じていた。
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