レインリリー
産婦人科は完全個室で
昼間だけ母子同室。

その上、
パパが泊まるのも自由という
気の利いた病院だった。


「ホテルみたいで寛ぐ♪」


呑気な事を言って
毎晩泊まりに来る崇人は
まだ、たまにしか眼を開けない侑右を飽きもせず眺めている。

お腹が大きくなってきても
実家で両親に守られて生活する日々に
安心と安定をもらい

結婚して親になる・・・
その現実味が感じられず

ほとんど子供の事を2人で話し合わずに出産を迎えてしまい
崇人がどう子供に接するのか
私の胸の内は不安で一杯だったけど


《意外に子供好きなのかも》


病院で愛おしそうに我が子を見つめる
様子を見て
ホッと胸をなで下ろしていた。
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