レインリリー
無心で侑右をボーッと眺めていると
視界がぼやけて涙が落ちそうになる。

そんな私の小指を小さな手で
ギュッと握る侑右。

――――僕を見て。

小さな心で、そう伝えようとしている気がして、我にかえる。

自分の事ばかり考えてるようじゃ
子育てなんて無理。

誰に言われた訳でもない
誰のせいでも無い
自分で選んだ道なんだから。

そう自分に言い聞かせ
納得できる答えを探す。


暖かい季節を迎え
周りが楽し気な空気に
包まれれば包まれる程

私は世間から取り残されるような
孤独感を感じるようになっていった。
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