レインリリー
「あ~無駄に日当たり良いし2階だからな」


私達の荷物を運ぶのに
階段を何往復もして
スッカリお疲れの様子の崇人が
リビングに寝かしていた
侑右の横に寝転がって伸びをしている。

そんな2人の姿を
微笑ましく思いながら

私の心は
さっきから・・・
ずっと、ざわめいていた。


崇人がこのアパートを借りたのも
去年の、ちょうど今頃。

そして・・・
私にとって1年前の夏は
あまりイイ思い出が残っていない
季節・・・だった。


あの時と同じようにコンビニの蕎麦を食べ


「幸せになろうな」


甘く囁く崇人に優しく抱かれる夜。
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