レインリリー
「人聞きの悪いこと言わないの!!
新人チャンが誤解するだろ。
俺は来月のフリーペーパーのモデルに、この子どうかな~と思って見てただけ。あっ、深沢さんだっけ?彼は大久保君。こう見えて古株だから、今日は彼に仕事教えてもらってね」

言い終えて、ヨロシクと大久保さんの肩をポンポンと叩いて
今井さんという人は喫煙室の方に歩いて行く。

途中で思い出したように振り返って、

「来月のモデル、頼んだからね」

と、私を指差しながら・・・。



やっぱり、こういう職種だからキャラ濃い人多いのかな・・・


働けるか不安になってる私の心を見透かすように大久保さんが、

「大丈夫だよ。今井さん実はイイ人だから(笑)
副店長だし会社と俺ら従業員のパイプ役に徹してて、普段から話しやすい環境作ろうと無駄に馴れ馴れしいだけ」

そっ、そうなんだ。

ちょっと安心して微笑み返すと

「!!」

大久保さんはプイと目をそらして

「じゃ、朝礼前に売り場の案内しちゃうから付いてきて」

書類を片手に足早に事務所を出て行ってしまった。
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