レインリリー
私は実家に戻った。

付き合い始めた16の頃の事を思い出して感傷的になったり
眠れない長い夜に私と侑右の未来を考え不安に押し潰されそうになったりしたけど

――離婚の決意が揺らぐ事は
  1度も無かった。

だけど、もちろん親は猛反対。

「離婚なんて言わないで気持ちが落ち着いたら、また、やり直せばいいんだから」

聞きたくもないママのこれまでの苦労話を例に出して何度も諭されたけど、
それはパパとママの間での話しであって私と崇人には到底無理なんだって事は、なかなか理解してもらえなかった。

そんな最中に
以前とは別のネットワークビジネスに
再び崇人が登録したことが分かって
チョコレート事件なんて、そっちのけで大波乱。

しかも今回は本気でそれを生活の糧にするつもりらしく、
誰にも相談せずに仕事も辞めてしまっていたから、さすがに崇人の親も大激怒で。

結局、親同士の話し合いで
養育費の事などが決まり


入籍してからたったの2年で

私達は離婚届けにハンコを押した。


その間、私がアパートを出てから謝罪はおろか1度も崇人からの連絡は無く。

プライドの高い崇人だから
自分の事を愛してないとハッキリ分かった私なんて、もう必要ないんだろうなと私も理解した。


あっけない終わりだった。。。
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