レインリリー

今井さんの思いつきに大久保さんまで

「おおっ！ラッキー！！」

なんて喜んでいる。
なんだか、すごく言いにくい空気だけど

「あの、すいません。
私帰らなきゃ行けなくて・・・
せっかくなのに、ゴメンナサイ」

そう謝ると

「えっ？そうなの？
もしかして、彼氏？」

鋭い今井さんにビックリ。

「はい。心配するといけないんで」

「大事にされてるんだね。
俺なんて嫁さんが誰と飲みに行ってるか知らないし聞きもしないけど。
もう長いの？」

「2年です」

「ケッコー長っ。
今井さんも、たまには真っ直ぐ家に帰って奥さんの手料理食べたらどうですか？」

大久保さんに言われ

「俺の飯あるのかな～」

ブツブツ呟きながら
私達に手を振って売り場に歩いていく
今井さん。

「ありゃ。あれは帰る気ないな。誰か捕まえに行ったよ」

笑いながら言う大久保さんに

「今井さん、帰宅恐怖症なんですか？」

素朴な疑問を問いかけてみる。