レインリリー

「あれ！！早いね～」

コンビニの袋をぶら下げた
大久保さんが歩いて来た。

「おはようございます。
なんか目、覚めちゃって」

「そうなの？俺は腹減って朝飯買いに出て、そのまま来ちゃった」

「ふふふ。本当、お腹すいてたんですね(笑)」

横に座り、豪快にホットドックに食らいついている飾らない大久保さんを見てると

―――この人に話してみたい

無性にそう思った。


「・・・あの、疑ぐり深い彼女と付き合った事ありますか？」

「高校の時の彼女がそうだったかな～。すぐ別れちゃったけど。
何？やっぱ彼氏、怒っちゃった？」

「ちょっと
面白くはなかったみたいで・・・」

「あのさ。前から話し聞いてて
もう、そんな彼氏別れちゃいなって
何回も思ったんだけどさ
でも、それって俺の為なんだよね…」

「えっ？」