レインリリー
アルコールが入ったわけでもないのに

場の雰囲気にのまれたのか
大久保さんの居ないリーベン
を想像すると瞳がウルウルと揺れてくる。

みんなの楽しそうな笑い声が
遠い喧騒に聞こえる。

こんな場所で
思いっきり孤独を感じる自分は
・・・どうかしているのかもしれない。

「香奈ちゃ~ん、そろそろ9時だから外で彼氏待ってた方が良くない?」

ゆかりさんの大声で我にかえった。

携帯を確認すると、
もう数分で9時だ。

「じゃ、今井さんと大久保さんに挨拶してきます」

いそいそと2人の側へ行き
軽く挨拶を済ませる。

「外で迎え待つ?1人だと危ないから安達に付いててもらえよ」
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