SWEET LIFE
あーもう、顔が赤くなってくるし…。
それを見た裕樹さんはニコリと微笑むとアタシの頬に口付けた。

「っ?!!」

なななな、何でキスするのよ、この状況で!!

「かーわい♪」

腰にまわす手の力が強くなった。
えーと、これは…離してくれないって事ですかね…。

「あんまり虐めたらいけませんよ、裕樹様。」

今まで一言も話さなかった運転手さんが口を開いた。
そうだ、裕樹さんはお坊ちゃまなんだった…。

「ちっ。いいところだったのに…。止めるなよ、後藤。」

後藤と呼ばれた運転手さんはニコニコ微笑む。
見るからに感じの良さそうなお爺さんだ。

「可哀想じゃないですか、美由さんが。二人っきりの時にしてください。」

後藤さぁぁぁぁん…。
そんなこと言わないで下さい…。
二人っきりの時がかなり怖くなるじゃないですか…。

「それもそうだな。後藤、ナイス。」

うわぁぁぁぁぁぁ…。
同意しちゃったよ、裕樹さん…。

「あ、自己紹介まだでしたね。私は後藤博之(ごとう ひろゆき)。運転手をしております。よろしくお願いしますね、美由さん。」
「え、あ、私は如月美由でしゅっ。よろしくお願いします!!」

うぁ…舌かんじゃったよ…。
は、恥かしすぎるっ……。

ふ、と裕樹さんを見ると笑いを堪えてるし、後藤さんも静かに笑っている。
いやぁぁぁぁぁ!!
恥かしいよぉぉぉ…。
アタシは顔を真っ赤にさせてうつむいた。





「付きましたよ。」

後藤さんの声で顔を上げる。
あれ、アタシどうしたんだっけ…。
舌かんだ後、顔赤くして…アレ?;;

「あ、起きたか。」

…アタシ寝てたんですか…。

「すみませんっ…。重かったですよね?」
「いや、大丈夫だよ。」

と同時に目の前が暗くなる。

「…何回キスする気ですか…?」
「敬語使ったらキスするよ?」
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