そんな俺の彼女
しばらく歩いていると、反対側の歩道に座り込む人がいた。
変な人。
そう思って通り過ぎようとしたら、
「んー…どうする? ウチ来る?」
……聞き覚えのある声だった。
「…って言いたいところだけど…お父さん猫アレルギーなんだよね…」
座り込む変な人の正体は、実里。
何してる、あのバカ。
「……仕方ない。また明日来るね!」
「にゃー」
実里は黒猫の頭を撫でると立ち上がり、俺と同じ方に歩き出した。
黒猫は、いつまでも実里の背中を見ていた。
俺んとこも、母さんが猫ダメだからなぁ。
申し訳なく思いながら、家に向かった。