そんな俺の彼女
「……あのさ、放課後教室残ってね」
「………えっ?」
「わかった?」
「…あ…はい…」
秋になったある日。
気づいたら、実里にそう言っていた。
たぶん、気づいたんだ。
実里が好きなんだって。
いつでも友達に囲まれて、笑ってるとことか。
あの時俺に向けてくれた、屈託のない笑顔とか。
いつだって人一倍頑張ってるとことか。
人の言葉がわかるわけない猫に話しかける変なとことか。
今まで接点なんかほとんどなかった。
実際、話したのだって学祭準備の時くらいだし。