そんな俺の彼女





「……あのさ、放課後教室残ってね」


「………えっ?」


「わかった?」


「…あ…はい…」





秋になったある日。



気づいたら、実里にそう言っていた。


たぶん、気づいたんだ。


実里が好きなんだって。



いつでも友達に囲まれて、笑ってるとことか。


あの時俺に向けてくれた、屈託のない笑顔とか。


いつだって人一倍頑張ってるとことか。


人の言葉がわかるわけない猫に話しかける変なとことか。




今まで接点なんかほとんどなかった。

実際、話したのだって学祭準備の時くらいだし。

< 47 / 61 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop