そんな俺の彼女
一応この地方も雪が降る所だから、それなりに積もっている。ついでに、道路も所々凍っている。
「ちゃんと手握ってなよ。転ばれたら困るから」
「はいっ!」
小学生みたいな小さな手を握ると、大きな力で握り返してくる。
それが何か嬉しくて、思わず笑った。
「…あれ? 戸田くん、なんで笑ってるんですか? 何か良い事でもあったんですか?」
「っ、ばっ、ばぁか…っ」
「えぇっ!?」
顔を見られないように逸らすと、後ろから実里の焦った声が聞こえた。
俺にこんな顔させるのは、全部、実里のせいだからね。