♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
ふんっ。
何よ、最初はあんなに嫌そうだったのに。
今は女の子たちに囲まれて万歳ですか。
私の、勇也に対するイライラは消えない。
「momo、今日の撮影内容よ」
そう言って、1枚の紙を渡す、西園寺さん。
私はその紙を受け取り、目を通す。
勇也なんか、モデルにでも何でもなってしま────……
そこまで思ったとき、私は絶句してしまった。
だって、今日の撮影内容の所に……
「う、”海デート特集"……?」
そう書かれていたから。
「あの……これの衣装ってどんな感じですか……?」
まさかまさかと、私の頭にある最悪な事を思い浮かべながら、
衣装さんにそう訊ねる。
……いや。まさか、ね?
そんなはずは……。
「あれ?言ってなかったっけ?
───水着だよ?」
…………。
カッチーン。
あ、あは……。
終わった、私。
そんなこと全然聞いてなかった。
お腹…プニプニだし。
もう、悲しい。泣きたい。帰りたい。
そんな凹んでいる私に気付いていないのか、衣装さんは
はいっと、水着を渡す。
……何とも可愛らしい、水玉の水着。
「あ、できるだけ早く着替えてねー!
男の子の方はもう準備終わってるから。」
…………え?
さっき、"男の子”って言った?
「すいません……男の子って、どういうことですか?」
「えっとね、デート特集だから、デート風景を撮りたいなぁーと思って。」
「み、水着で、ですか?」
「そうだよ。」
「……。」
嘘でしょ?
…………あぁ、何だかここまで来ると
どうでも良くなってきた……。