♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
見上げると、ふわっと笑う魁星くん。
「あの子って……?」
「ほら、あの男の子。」
そう言って、違う方を見ている勇也を指さす。
「あ、えっと……」
「彼氏?」
「ち、違います!!!けど……」
”彼氏?"と言われたことが恥ずかしくて、バッと下を向く。
…何て言えば言いんだろう。
友達?
それも何か違う気がする。
うーん───………
考える私を見て、魁星くんはクスっと笑ってから、
「好きなんでしょ?
───彼のこと。」
そう、確信したように言った。
……な、何でわかったの?
「っ、そ、そんなことは……」
「嘘。顔に書いてる。
…それに、さっきから彼のことばっかり見てるしね。」
わかりやすいね、なんて言いながら笑う魁星くんは、
全部お見通しみたいで怖い。
ここまで言われて、否定したって無駄な気がして。
「はい…………」
そう言ってしまった。
──あぁ、恥ずかしい。
穴があったら、今すぐに入りたい。
「あの子……、何て言う名前?」
「広瀬 勇也…です…」
「じゃあ、広瀬くんと何かあったんだ?」
「いや、何もないんですけど………。」
………そう。
何もないの。
ただ、勇也が私と目を合わせてくれないだけ。
だから、他の人に迷惑かけるなんて、
モデルとして失格なのに。
なのに────……
……自分の感情もコントロールできないくらい、
勇也を好きになっている私がいるんだ。