♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
そう考える度、私の心はズキズキと痛む。
───ねぇ勇也、私のこと……嫌い?
心の中で呟いた瞬間。
───ぐいっ。
「?!」
突然引かれた、私の右手。
見ると、魁星くんにしっかりと繋がれていて。
「今は1回全部忘れよ。
……俺を広瀬くんだと思って?」
「ぁ………」
魁星くんは、ね?と言いながら私を見た。
──その時の表情が、一瞬 勇也と重なった。
そして、また胸がギューッてなってくる。
魁星くんは勇也…、魁星くんは勇也……。
───よし。
「うんっ!!!」
繋がれた手をギュッと握り返して、
私は元気良く答えた。
そんな私を見て魁星くんは「じゃ、撮影再開だね」と大人な表情で言った。
──…ちょっと前から思ってたんだけど、
魁星くんって、すごい大人びてると思う。
話し方だってそう。
…相手の考えている事が読むのがとても上手くて、
いつも気を使っている。
相手の傷つくような事は、一切言わない。
私より何倍も落ち着いている彼に、手を引かれ
また撮影を始める。
……手を繋ぎながら。