♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
「………好き。」
そして、私も背中に腕を回す。
──魁星くんが呟いた、言葉の意味も考えずに。
「勇也……」
あぁ、この時間が続けばいいのに。
───「はーい!!OKでーす!!!」
カメラさんの声が聞こえて、魁星くんと私は離れた。
「momo、お疲れ様」
にこやかな笑みを浮かべた西園寺さんが、
私に上着を渡す。
私はそれを受け取ってハッとした。
そ、そういえば私……、さっきまで魁星くんを勇也だと思って…///
「か、魁星くん!!」
私が駆け寄ると、魁星くんはゆっくりと振り返る。
「あ、あのっ」
私ったら、あんな大胆なことを……!!
もう、恥ずかしくて死ねそう。
何て言えばいいのかわからなくて、あたふたしてる私を見て、
魁星くんはふっと笑った。
「今日は楽しかったよ、momoちゃん」
そう言って、やわらかく笑う魁星くんは
やっぱり大人だと思う。
「……私も。」
…今日の撮影の相手が魁星くんで良かった。
そう、心の底からはっきりと思った。
魁星くんじゃなかったら私……、
今日の撮影はダメなままだったかもしれない。
「あ、連絡先教えてくれない?」
「うん!!」
──そんなこんなで仲良くなった私たちは
連絡先を交換して、別れた。
その後、私は急いで、有紗たちの元へと向かった。
「また会えるといいね……"水野 由莉”さん」
魁星くんは私の後ろ姿を見ながら、そう呟いていた───