♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
VSモデル *勇也side*
*勇也side*
その日の前日は、何気に楽しみにしてた。
水野の撮影を見に行く日。
……正直、学校での水野は抜けてる。
ボッーっとしてると、教科書逆さまだし、
階段から何回も落ちそうになってるし。
あいつを一人にするのは、危険だ。
だから、
水野がどんな風に仕事をこなしているのか
1度だけ見てみたかった。
………いや。
本当は "水野が好きだから” 見たかったんだ。
────だけど。
なぜか、俺も写真を撮ることになって、
終わったら、知らない女子たちに囲まれて。
やっと抜け出せ、伊集院の隣に座ったら
「由莉は着替えに行ったから、もうすぐ出てくるんじゃない?」
って言われた。
そして、俺は水野が出てくるのを、待っていたんだ。
スタジオでは、すでに撮影している1人のモデルがいた。
三村 魁星………だったっけ。
この前、クラスの女子が話してたような……?
チラっと見ると、さすがモデル。
──イケメンだな、あいつ。
クラスの女子が騒ぐだけあるわ。
なんて、男の俺でもそう思うくらい、カッコ良かった。
…水野も、あんなイケメンが好きなのかな。
とか思っていた矢先。
「あ、由莉だ。」
伊集院のそんな言葉に反応して、
俺もそちらの方へと目を向けたら。
「はっ……………?」
「あら♪」
俺からは、そんな言葉しか出なかった。
伊集院は、可愛い~っ とか普通に言っているけど、
俺にはそんな余裕なかった。
だって───
水野はいつも上げている前髪を下ろしていて、
それで………、服だと思っていたのに……水着で。
予想もしてなかった水野の格好に、開いた口が塞がらない。
ドクドクと鳴る、俺の心臓。
──いや、待て、俺。
落ち着け、俺。