♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
アイツはそう言うと、周りのスタッフはそうだね、と言って、少し休憩に入った。
2人とも、一旦 上着を羽織り、
オロオロとしている水野を、三村 魁星は連れて行く。
そんな状況を見て、伊集院も口を開く。
「あーあ。由莉、連れて行かれちゃったね」
「…あぁ。」
「説教されてたりして?」
「かもな」
……それもそれで、ちょっとムカつく。
「まぁ、魁星くんならそんな事しなさそうだけど。」
「…何で?」
「雰囲気よ、雰囲気。大人っぽそうでしょ」
…あぁ。と俺は納得する。
それはわかる気がする。
モデルって、もっとチャラい感じだと思ってたけど、
三村 魁星は、すごい落ち着いている感じだった。
「イケメン…だしな。」
女子は、あぁいうやつが好きなんだろう。
……水野も。
俺がそう呟くと、伊集院は俺を見て少し目を丸くした。
「え………、妬いてるの?」
「……そりゃ、好きなやつだし。」
「えぇーっっ!!!」
俺がそう言うと、伊集院はもっとびっくりして叫びだした。
「っ、ちょっと声でかいから。」
「だって………だって、いきなり広瀬が素直になりだしたんだもの!」
「そんな声上げなくても」
「ほんと……どうしたの?」
…何か、失礼じゃないか?
「本当の事言っただけだし」
「へぇー…そうなんだー……。」
不思議そうに俺を見ながら言ったあと、
伊集院は少し考えたあと「でも、」と言って。
「……広瀬も負けてないわよ??」
「…はっ。」
同情、か。
あんなイケメンに勝てる自信なんてないんだけど。
「お世辞じゃないからね?」
「ありがとう。」
本当だとは信じれないけど、一応礼を言っとこう。
「もぉー、わかってないんだから。
……2人とも。」
「撮影再開しまーす!」
その大きい声によって、伊集院の言葉はかき消された。