♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥







「はぁぁ……………」




俺は、トイレの近くにあった自販機の前のベンチに腰かける。







──何だよ、本当に。

俺らしくない。




いつの間にこんな……、
こんなに好きになっていたんだろう。





水野と喋っている男はムカつくし、
何のガードもない、水野にもイライラする。




…影で、水野のこと好きなやつなんて、
学校にはうじゃうじゃいるんだから。





──「水野っていいよな//」
──「やばい、癒される。」
──「俺、本気で明日、告ろっかな」





…こんな会話、今週だけで何十回 聞いたか。


その度に俺はイライラしていた。




でも、水野は自覚がないんだ。




この前、告白された時だって、


「あの人、告白する人間違えたんだ…」

「何でそう思うの?」

「だって、ずっと下向いてたもん。
私の顔なんて見てなかったし、私、喋ったことない人だよ?」


…………だと。





「水野が可愛いから直視できなくて、下向いてて、
水野が可愛いから、喋ったことなくても告白してきたんだよ。」


って、教えてやりたかったけど、コイツは絶対 納得しないだろう。と思って
「そうなんだ」って話を流した。




いい加減、自覚しろよ。



いつの間に、男たちを虜にさせてんの?





男はみんな下心の塊だ。



もうちょっと、自分を狙っている人が大勢いる、という危機感を持ってほしい。



……何だかんだで水野は、誰とも付き合ったりしない。




けど、今回ばかりは本気で焦る。




三村 魁星の事が、好きなの?




聞きたいけど、聞けない。



もしそうだった場合、それを聞いた俺は、どうしたらいい?






………応援できるほど、俺の心は広くない。

……



もう無理。

俺って、まじで何なわけ………?







自分自身に嫌気がさした時。



「───わっ!!!!」





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