♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
ヤキモチ、か…………。
俺の前には、ほんのりと頬を赤く染めながら言う彼女。
ってか、その上目遣いはやめてほしい…。
本人は気付いてないんだろうけど、
水野の上目遣いはヤバすぎる。……俺が。
そう思い、俺は手で顔を覆う。
…こんな顔、見られたくねぇ。
「………水野が、あんなに楽しそうに喋ってるから。」
…もう、ダサすぎる。
何で勝手に妬いてるんだよ。
「や、ヤキモチって事で…いいの?」
…水野も、お願いだから何回も言わせないでほしい。
「俺は、ヤキモチ焼いたら、ダメなの?」
俺の言葉を聞くと、少し目を大きくして、
水野の顔がどんどん緩んでいく。
人が真面目に言ってる時に………
「………何で、ニヤけてんの。」
もしかして、ふざけて言ってると思われてるのか?
俺がそう言うと、水野は
え、バレた?みたいな目で俺を見てきて。
「…ごめんね。嬉しくって、つい……。」
少し俯きながら、照れたようにそう言った。
──あぁ。
駄目だ、全然わかってない。
俺はこんなに悩んでるいるのに、嬉しいって…。
思わず、ため息がこぼれる。
…いや、寧ろため息しか出ない。
クシャっと髪を掴むと、俺の視界には
水野の手が写る。
……水野が誰かと付き合ったら、
この手は、そいつに繋がれるのか?
…いや、さっき三村 魁星に握られていたか。
──何で。
何で、俺の方が仲良いのに……。
そう考えながら、すっと手を伸ばす先にあるのは、水野の小さい手。
そして───
───ぎゅっ。
俺はその手を握った。
もし、知ってて俺を妬かしているなら……
「お願いだから……、もう妬かせんな。」
俺は、ずっと水野の思い通りになってしまうだろう。
そのくらい、俺はこいつに惚れているんだ、
って実感させられる。
「は、反則……………//」
それはこっちの台詞だ。
そんな顔赤くされたら、期待してしまう。
「ゆ、ゆゆ勇也!とりあえず、有紗も待ってるし……、帰ろ?」
って、目泳ぎすぎだし。
水野がどれだけパニックを起こしてるかなんて、見たらわかる。
俺が急に手を握ったからかな。
──……ふっ。
まぁ、いいや。
今まで、モヤモヤと考えていたのが、馬鹿みたい。
「それもそうだな。」
俺はそう言うと、手を離した。
そして、伊集院が待ってる所へと歩き出す。
──もう、俺は俺らしく、頑張ろう。
いつか、絶対 この思いを伝えるから。
「水野。帰るよ。」
──だから、
「うんっ!!!」
───それまで、誰のものにもならないで。
*勇也side END*