♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
「人気ですね、”広瀬くん"。」
「有紗……」
ひょこっと私の顔を覗き込みながら、有紗はそう言った。
「何か、ファンクラブまで出来ちゃったらしいわよ。」
「ファンクラブ?!」
「うん」
す、すごい……。
そこまで、人気になってたなんて…。
「広瀬の事、好きな人もすごい増えてる。…他校の人もだって。」
「……そっか。」
…そうなんだ。
みんな、勇也の良さに気付き始めちゃったんだね。
嬉しいって言ったら嬉しいけど…、何だか複雑。
頬をふくらましている私に気付いたのか、有紗は私の頭をポンポンとなでる。
「大丈夫よ。由莉なら。」
「………ありがと。」
優しいなぁ、有紗は。
「由莉もファンクラブ入っちゃう?」
「んー…どうしよっかなぁ~?」
「いっそのこと、会長に立候補しちゃえっ!!」
「あはは!それもいいかもね!!」
こうやって、私の元気がない時は、
冗談言って、笑かしてくれるんだもん。
有紗は、私の自慢の親友だ。
「あ、広瀬くん来たよっ!!!」
クラスの中の誰かがそう言い、
私と有紗の会話は中断され、ドアの方に目をやる。
「広瀬くん、おはよっ♡!!」
そう、語尾にハートマークをつけながら可愛く言う子に
勇也は「おはよう」と言って、その子達の前を通り過ぎる。
ただ、それだけで「きゃーっ!!」と言って倒れそうになる女子。
ゆ、勇也の威力、恐るべし…。
勇也はその事に気付いてるのだろうか?
もうクラスのほとんどの女子を倒しながら(?)、
勇也は自分の席へと向かう。
……そう、私の隣の席。
「おはよう」
そう言って、優しく笑いかける勇也。
───どきっ。
と、高鳴る私の胸。
………あぁ、もうこれ。