♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
「ん。おはよ」
他の子には、普通に「おはよう」と言うだけなのに、
私には笑いながらそう言ってくれる、勇也が好き。
…これだけは、他の子より特別なんじゃないか、
って思ってしまう。
─……何を私はくよくよしてるんだ。
他の子も、勇也が好きだからって……、
私だって勇也の事好きなんだもんっ!!
絶対に負けないんだか……
「あのぉ~…、広瀬くん、宿題…見せてほしいんだけどぉ」
「いいよ」
「えっ本当に?!♡ありがとぉ~♪」
そう、どんどん勇也の周りには人が集まる。
ゔぅっ………。
「きゃー♡広瀬くんって本当に優しい~っ」
「え、ずるいー!!私もー!!」
さっきまで隣にいたのに、
私の存在なんてそっちのけで、みんなゆうやに群がる。
…本当に頑張れるのかな、私。
「はぁ………」
私は女子に囲まれている勇也を見ながらため息をつく。
…何だか、勇也が遠い人になっちゃったみたい。
最近までは、朝 一緒に話して、放課後になったら
3人でカフェに寄ってたのに、もうできないのかな…。
──ねぇ、勇也。
今、楽しい?
私がいなくても、楽しい?
……私は、悲しいよ。
勇也が、いつか私に目も向けてくれなくなるんじゃないか、って。
だって、こんなに可愛い子がいっぱいなんだもん。
好きな人、なんてすぐ出来ちゃうよね。
それに、よく考えてみたら、勇也が私と仲良くしてても、
勇也からしたら、なんのメリットもないんだもん。
…ただ、勇也は私の秘密を知ってしまっただけ。
だからと言って、傍にいなきゃいけない、なんて事はないもんね。
「………っ」
勇也を思えば思うほど、
締め付けられていく、私の心。
……どうしよう。こんなにも、
────辛い。