♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
「あー……、そうですか……」
そう、頭を掻きながら、下を向く。
「本当にごめんなさい」
何だか、申し訳なくなってきて、私は頭を下げた。
「い、いや、そんなっ!話だけでも聞いてくれて嬉しいんで…。
じゃ、さようならっ」
「あ、さようなら!」
男の子は、切なそうに笑って私に手を振り、走って行ってしまった。
……いい人だったな、あの人。
せめて、名前だけでも聞いておけば良かった…。
「──今の、」
「ひゃっ!」
「告白…?」
だ、誰?!
いきなり真後ろから声が聞こえてきて、
私はバッと振り返った。
「え……」
嘘、どうして。
「勇也………」
そこには、走ってきたばかりなのか、
少しだけ息が上がっている勇也が立っていた。
──だけど、勇也を見た瞬間、思い出したのは、あの女の子。
何だか気まずくなって、私は顔を逸らした。
あ……、えっと、何か喋らなきゃ……っ
「ど、どうした、のっ?!」
あぁー…、すごい噛んじゃったよ……。
私がそう言うと、思いっきり顔をしかめる。
「どうしたの、じゃねぇよ」
勇也は不機嫌なのか、少し私を睨むようにして言った。
「何で先に帰ろうとするんだよ」
───どきっ。
…や、やばい。
バレてたんだ……。
「いや…、だって………」
「だって、何?」
──何で?
勇也はさっきまで、あの子と一緒にいたんじゃないの?
「…っ、告白、されてたんでしょ?」
──そんなの、声掛けれるわけないじゃん。
「はっ……」
何で知ってんの、と言わんばかりの勇也の顔。
やっぱり、ね。
告白……
だったんだ。
「あの………、返事は…、どうしたの?」
聞いていいものか迷ったけど、
聞かずにはいられなかった私は、思い切って尋ねる。
───ドクドクドク。
あんなに可愛い子だもん、OKしてもおかしくはないよね……。
「───断った。」
そう聞こえた瞬間。
「へ、へぇ…。そうなんだぁ……。」
ホッと自分の胸が安心した音が聞こえた。
──良かった。
あの2人が付き合わなくて、良かった。
──……最低だよね。
あの子は、悲しんでるいるんだろうに、私は喜んでいる、なんて。
──いつから、こんなに性格が悪くなったんだろう。