♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥



「あー……、そうですか……」


そう、頭を掻きながら、下を向く。


「本当にごめんなさい」



何だか、申し訳なくなってきて、私は頭を下げた。




「い、いや、そんなっ!話だけでも聞いてくれて嬉しいんで…。
じゃ、さようならっ」

「あ、さようなら!」




男の子は、切なそうに笑って私に手を振り、走って行ってしまった。




……いい人だったな、あの人。

せめて、名前だけでも聞いておけば良かった…。






「──今の、」

「ひゃっ!」

「告白…?」





だ、誰?!



いきなり真後ろから声が聞こえてきて、
私はバッと振り返った。



「え……」


嘘、どうして。



「勇也………」




そこには、走ってきたばかりなのか、
少しだけ息が上がっている勇也が立っていた。









──だけど、勇也を見た瞬間、思い出したのは、あの女の子。




何だか気まずくなって、私は顔を逸らした。



あ……、えっと、何か喋らなきゃ……っ




「ど、どうした、のっ?!」


あぁー…、すごい噛んじゃったよ……。


私がそう言うと、思いっきり顔をしかめる。




「どうしたの、じゃねぇよ」



勇也は不機嫌なのか、少し私を睨むようにして言った。




「何で先に帰ろうとするんだよ」


───どきっ。




…や、やばい。

バレてたんだ……。





「いや…、だって………」

「だって、何?」






──何で?

勇也はさっきまで、あの子と一緒にいたんじゃないの?




「…っ、告白、されてたんでしょ?」



──そんなの、声掛けれるわけないじゃん。




「はっ……」


何で知ってんの、と言わんばかりの勇也の顔。




やっぱり、ね。



告白……
だったんだ。


「あの………、返事は…、どうしたの?」





聞いていいものか迷ったけど、
聞かずにはいられなかった私は、思い切って尋ねる。





───ドクドクドク。


あんなに可愛い子だもん、OKしてもおかしくはないよね……。





「───断った。」


そう聞こえた瞬間。


「へ、へぇ…。そうなんだぁ……。」



ホッと自分の胸が安心した音が聞こえた。




──良かった。


あの2人が付き合わなくて、良かった。




──……最低だよね。

あの子は、悲しんでるいるんだろうに、私は喜んでいる、なんて。






──いつから、こんなに性格が悪くなったんだろう。




< 126 / 248 >

この作品をシェア

pagetop