♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
有紗は「そういえば、駅前に新しいクレープ屋さんできたのよ♪」と言いながら、
私と勇也の前を歩く。
「今日は、あのカフェじゃなくて、そこに行く?」
「え、いいの?!」
「いいよ。ね、勇也?
「……別にいいんじゃね。」
「じゃー決まりねっ!」
わーい、とスキップしながら喜んでいる有紗。
その様子を見て、少し切なくなる。
あーぁ。
さっきまでの、あのドキドキはどこへ行ったんだろう。
ほら、勇也だって、呆れてため息ついちゃってるよ!
それに、何か考えてるみたいだし……。
──もう、いいや。
私も、今から行くクレープ屋さんに行って、
いっぱい食べよう。うん。
「有紗待っ」
て。と言いかけた時、
──ぐいっ。
「?!」
勇也の強い力で腕を引かれて。
「◎△※▼☆¥〜?!!」
ぽすっと、収まった先は、勇也の腕の中。
有紗は後ろも振り返らずに、るんるんと進んで行く。
有紗が来て静まったばかりの心臓は
一気に動き出す。
……今日、私の心臓 動きすぎだからっ!
そんな私に気付いているのか、気付いていないのか、
私の耳にそっと顔を寄せる。
反射的にぎゅっと目をつぶって、聞こえてきたのは、
「───また今度、話すから。」
そう、私にしか聞こえない声で、呟いた。
「は、はははいっ!!!」
勇也があまりにも、私の近くで言うから、思わず噛んでしまった。
「そう。」
私の返事を聞くと、勇也は私を開放して
ふわっと笑った。
ドッキーン…!!!
「じゃ、行くか。」
「うん…///」
そう言って、私たちは歩き出した。
───ほんと。
………勇也は、心臓に悪い。