♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥





そんな目の前の天使は、
頬を染めながら言う。




「私…、広瀬くんに告白しようと思ってるの!

…最初は、水野さんと付き合ってると思ってたんだけど、
違うなら私にも可能性はあるでしょ?」


「あはは…そうだね」





こんな話を聞かされても、私には笑うことしかできない。




チクリ、と胸が痛くなって、
思ってることが顔に出ないように、必死に笑みを浮かべる。




──…何してるんだろう、私。


どうして、「私も勇也が好き」って言えないんだろう。





「だよね!ありがと!! 私、頑張るね♪」

「うん!応援してるからね!!」





その子は笑顔で私に手を振り、廊下をかけていった。










「はぁ……」





そして、その子の姿が見えなくなった瞬間、
暗い表情に変わってしまう、私。









──応援してる、なんて嘘。



本当は、やめてって心の中で叫んでるんだ。


あの子も言っていたように、
勇也が誰かと付き合う可能性は、十分にあるわけで。





──”今度こそ、付き合うんじゃないか"



いつもそう思って、付き合わなかったって聞いて、安心する。

その繰り返し。












夏休み以来、勇也の人気は留まる事を知らない。

それどころか、むしろ増えてきている。




朝も昼休みも放課後も、勇也はあっという間に女子に囲まれて、どこかへ連れて行かれるんだ。




噂では1週間だけで、もの凄く告白されてるとか。




…私と、勇也が話す時間なんて1秒もない。








「あ、由莉いた。」

「有紗………」




ジュースを買いに行ってから、全然帰ってこない私を心配したのか、
自分と私のお弁当を持って、迎えに来てくれた。





「うん…ごめんね。」








< 132 / 248 >

この作品をシェア

pagetop